福島名峰登頂プロジェクト「PEAK Project」。

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箕輪山。鬼面山からの縦走にチャレンジ。う え を 見 る な。

2015年7月22日。
私が登山を始めるきっかけとなった鬼面山を今登るとどれほど楽に感じるのか?
そしてあの時絶望感しかなかった鬼面山山頂から見える大きな山。
箕輪山への縦走。
あの時は鬼面山でへろへろになっていたわけですが今ならもしかしたら行けるのでは?
そんな思いからチャレンジ。

ガイドブックでは鏡山に続く「体力度2」です。
体力度2の山は自分の中では成功経験が無いのです。
それにこの山行を行われる方が必ず申されるのは
「箕輪山山頂の泥部分がキツイ。」
という言葉でした。

ガイドブックには箕輪スキー場側からの箕輪山山頂への直登、そこからの鬼面山への下山を推奨していますが逆に行くことになります。
ご存知の方も多いかもしれませんが箕輪山から安達太良山へ縦走を続ける事も可能です。

この日は久々の休み。
なまった体にこの行程はキツイのではないか?
そしてなにより心配だったのが午後から天候がくずれ雷注意報が発令されていた事です。
午後12時には下山できるスケジュールで朝の7時には登山口に着くよう出発致しました。

久々の鬼面山。


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うっそうとした入口に当時は不気味さすら感じたものですが今となってはなんてことない整備されたエントランスに映りました。

7月も終りとなると。

いくら早朝スタート午前中下山コースと言えども。

かなり暑いです。

鬼面山は標高1300m級ですからお世辞にも高い山とは言えません。
しかも背の高い木は最初の10分で終了。
そのあとは藪と低い立木、岩場へと変貌を遂げます。

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暑さ核心である、そんな事に気がついたからかさっさと鬼面山部分を終わらせる為に少しペースを上げました。

これがいけなかった。

今なら簡単だろうとタカをくくっていた鬼面山は山頂に向かうにつれ勾配を増し、岩場と直射日光が体力を容赦なく削ります。
1時間ほどで山頂に到着。
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しかしこの時点でかなりぜーぜーはーはーという感じになっていました。
広い山頂部分を南へ、ゆっくりと歩を進め、目的地である箕輪山を目の当たりにします。


デカい山だなー。

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ペース配分を間違った事、、また侮っていたからか一眼レフを首から下げっぱなしで歩いてきたので結構足にきていました。

そしてなによりジリジリと体力を削り続ける夏の日差し。

そう、鬼面山は日よけとなる小屋、樹木が無い山頂なのです。

これは7月~9月の山を行く場合かなり重要になる問題だと感じました。
直射日光を遮る樹林帯はあるのか?
前もって調べておく必要があります。
2015年の夏は38℃を超える日が連日続く超猛暑でした。
ペースを間違った事、直射日光を浴び続けた事で自分はちょっと熱中症気味になっていました。
箕輪山を眺めながらとりあえず昼食にする事にしました。

食べているうちに呼吸も落ち着き鬼面山の風がほてった体を冷やしてくれます。

とりあえず30分ほど休憩してしまい、ゆっくり歩くのと変わらないペースになってしまっていた。
鬼面山、全然楽な山じゃなかった(;´Д`)

少し元気になったのでとりあえず箕輪山へのアプローチを開始してみます。
鬼面山の長い下り坂。
平坦なやぶ漕ぎ。
そして一気に直登する急な登り坂。

もっとも私が苦手意識のある
帰りにも登りが混在するタイプの山行です。

なぜなら下りはなんとかなる自分ですがいかんせん登りの力が弱すぎる。
途中でシャリバテした、または天気の急変で強風や雨で体力を奪われてしまった、怪我をしてしまったなどで。
この山はあきらめて帰る事も困難なタイプの山です。

スローペースで鬼面山の下りを行く。

正面の箕輪山は左側から雲が上昇し山頂部分を次第に覆い始めていた。


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そして頭上を見上げると。。。

出た。

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積乱雲だ。

天気予報より2時間ほど早く、樹林帯の無い鬼面山山頂で雷のリスクが生じ始めていた。
積乱雲を発見した時点で本日の登山の中止が確定致しました。
急ぎ足で下山を開始します。
途中鬼面山山頂を目的地としたおばさま3名様と遭遇。
「どちらまで行ってきたの~?」
「箕輪山に行こうとしたんですけど積乱雲で諦めたとこです。気をつけて。」
「箕輪山ならスキー場側からが楽だよ~。」
親切に教えていただき感謝すると同時にふつふつと湧き上がる闘志。


「絶対鬼面山側から登ってやる。。。」


鬼面山の下りはやはり急斜面。
足場も悪いが小一時間で下山終了。

車に荷物を積み込むとほぼ同時に雨が降り始め福島市に帰る頃には山頂は局地的な雨と雷に包まれていました。
危なかった。。。
判断を誤らなかった事が唯一の救いです。

8月5日。
このままじゃいけないと2度目のトライ。
この日は雷注意報こそ出てはいなかったものの連日38℃超えの猛暑が続くものすごい暑さが予測できました。
睡眠時間をけずり鬼面山山頂に日の出を迎えられるよう計算、4時30分に登山開始となりました。

2時間30分の睡眠が吉と出るか凶と出るか。

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スタート時点ではヘッドライトをつけておりましたが30分もすると朝日が辺りを包み込み明るくなってきました。
30分遅かったか。。。しかしどんなに急いで寝ても24時まで仕事の自分にはこの睡眠時間が限界です。

今回私は前回の反省を生かし新たな試みを実行致しました。

カメラをしまい撮影時のみザックから取り出す。
心拍数が上がらないように鬼面山を登りきる。

前回は急ぎ足の代償として30分の休憩が生じ、また足にきていた感が強かった。
いっそ1時間30分で鬼面山を登るペースで行きほぼ休まずに箕輪山へのアタックを開始する計画です。

木の根が張り巡らされる鬼面山の入口は思いのほか急です。
少し息が上がるなと思ったら超スローペースに落とし、しかし止まることなく歩き続ける。


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朝日のオレンジと空の紺色、山の緑のコントラストが美しい。

結果的に鬼面山の途中から現れる岩稜地帯、急勾配ゾーンまで一定ペース、山頂までの急勾配岩稜地帯はペースを極端に落としましたが止まることなく歩き続け(すり足に近いくらいスローペース)。
鬼面山山頂までほぼ疲労感無しの状態で1時間30分ほどで登頂することができました。
ちょうど日ノ出を迎える6時少し前、山頂で数カット写真を撮り休憩をとらず鬼面山を下る。

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今日は雲は出ていない、箕輪山の全貌が目の前に立ちふさがります。
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大きく、急斜面である。

この圧倒的な景色。
鬼面山からこの山を眺めながらコーヒーを飲む分には気持ちの良いものですがいざ登るとなるとなんと遠い山頂でしょう。。。

これは明らかにキツそうだ、でも今なら体力を温存できているし時間的にも涼しい。
目標タイムを8時までに山頂としゆっくりと鬼面山を下る。
浮石も目立つ岩稜地帯、いくつかのルートがありGPSがない場合矢印を見失わないようにしなければならない箇所です。
やや左方向に下ると両脇をやぶに囲まれた細い緩やかな土の道へと変わっていきます。

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腰高くらいのやぶ、早朝の涼しい時間帯。
一度箕輪山で熊の成獣を目撃しており、いつこのやぶから出てきてもおかしくはない状況、確実にこの山のどこかに熊はいるのです。
本来一休みできるはずの平らな連結路は人ひとりいない不気味さもあいまり音や匂いに神経を使う恐怖が少なからずありました。

そして岩が再び現れた時。

ここからが泥だらけの急坂への取り付きとなります。
なんというか、山頂がずーっと見えるというわけではないのです、クネクネと急で上方への視界が悪い。
GPSとにらめっこしながら登るわけですが平面上では非常に山頂が近いのですが急でペースも遅い為一向に進んでいる感がありません。

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おそらく最初の引き返しポイントとなる核心部。ここを超えたらもう進むしかない。

そして時折り顔を出す箕輪山の山頂?


いや、違う。

山頂と思った箇所を超えても山頂が更に見えてくる。
これで最後の急斜面だー、と思う度に腰を折られる感じ。

いつまでも続くような錯覚に陥る急斜面、そして森林限界が近づくにつれ直射日光を遮る樹木もなくなりジリジリと焼けつくような暑さ。

最も急なハイステップに取り付く。

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越えた…山頂は!?

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ぜんぜん先じゃん~!!

直射日光の恐怖からペースは上がり息も上がってきました。
そうか、途中で気が付いたのです。
山頂が見えそうで見えない、急で休むポイントを探すのも大変な坂ほど。


もしかしたら、上を見ない方がいいのではないか??

山頂がGPS上ではもう目と鼻の先だ、急坂に取り付き1時間30分が経過しようとしていました。
今更コツに気が付いても仕方があるまい。
とにかくもう少しで山頂なはず、一気に行くぞ!
急斜面が急に緩やかになり視界が左右に開けた。


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やったぜ~!!山頂だ~!!

いやっほーいと浮かれて荷物を下ろすとどうやらまだ山頂じゃなかったようだ。。。
左方向を見るとなんだか丘の先に十字架みたいのが建っている。

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そうか、おれは死んだのか。


これはおれの墓標だー、おれは途中でぶっ倒れて死んでしまったんだなー。
…なんて錯覚するようなジリジリとした暑さ、風は思ったほどなくもはや荷物を全部投げ出しカメラ一つで残り50mを登る。
気分は海パン一丁で海に駆け出す感じだ。

しかし人とは面白いものです。

先ほどまで諦めるどうしようか、もう進むしかないどうにでもなれ~!
という体力であると自覚していたはずが斜度が緩くなり明らかな山頂部が見え重量物から解放されると軽々と歩けてしまうのです。

山頂はまるで楽園のような美しさがありました。

やっとカメラタイム。

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山頂部は低い木々に覆われ朝露と低木で足をとられやすく、また崖も見づらいので気をつけて。
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月と岩、飛行機雲。
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夏だ、楽園だ。。。

時計を見ると8時ジャストである。

山頂で8時を迎えると同時に下山を開始する必要がありました。
鬼面山のあの急な岩稜地帯の下り坂。
帰りは上り坂となり牙をむくのですから。。。

今回の計画の成功確定地点は下山時の鬼面山山頂を踏んだ時点、と気が付き始めておりました。
目標9時。
今まではのんびりカメラをぶら下げ気楽な下山が続きましたがこの斜度はおそらく転んだら。

止まらないヤツです。

再びカメラをザックにしまう。
山頂部で水の残量を確認、あくまで急がず、先を見ず足元とペースに集中して行こう。
たしかに急な下りでしたがキツいルートを攻める時の心得、「上を見ない」を早速実践してみました。
下りの場合は前、GPSを必要以上に見ない、という事になります。

結果的に鬼面山の登りへの取り付きは非常に早くやってきて、その急に感じた鬼面山の岩場も一歩一歩、確実に歩を進めると楽なものでした。

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箕輪山山頂より箕輪山山頂の方が風があり涼しく感じれたのも意外でした。

スローペースと思っていたが9時に鬼面山山頂、勝利の確定です。
やはりあまり山頂、終了点を意識せず進んだ方が楽なようだ、大収穫の早朝山行でした。

体力度2の山、箕輪山。
かなり痛い目にあった。

いったい体力度3の山はどれだけの経験を積めば行けるというのか。。。

気を抜かず下る岩地帯に咲く花を写真に収めながら登りも下りも誰にも会わなかった鬼面山~箕輪山。

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10時30分には下山完了。

上を見なければ、体力度3の山で一度挫折を味わうのもいいのではないか??
次週の川桁山へと目標が定まった瞬間でした。

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by mspeak | 2015-08-18 00:41 | 箕輪山

福島の名峰を全くの初心者がレポート。


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